2010年代に入ったころから「終活」という言葉をよく耳にするようになりました。

誰のもとにも、やがて必ず訪れる「死」を意識すること。そのうえで、よりよい最期を迎えるための準備を進めること。それが終活です。晩年を迎え、どのように自分の人生を総括するか(したいか)を明確にしていくための営みといえるでしょう。

介護や医療のこと、葬儀のこと、お墓のこと、遺産のことなど、終活にまつわる事柄はさまざまですが、家のなかにあるモノの扱い処遇についても真剣に考えておかなければなりません。

対応しておくべきことを放置したままにしておくと、終活に関連して親族間で揉めることになったり、自分が亡くなった後、遺族に迷惑がかかったりする可能性があります。

終活に取り組むにあたり、どのような点に注意しながら持ちモノを整理していけばよいか、一緒に考えていきましょう。

目次

  1. 「終活」でやらなければならないことは多種多様
  2. 「終活」における一大事「生前整理」で持ちモノを減量する
    1. 「生前整理」でやらなければならないこと
  3. 扱い方が決められないアイテムはminikuraに預けてしまう
    1. minikuraを活用して、心穏やかな「終活」を

「終活」でやらなければならないことは多種多様

「終活」という単語が日常的に用いられるようになり、老後の過ごし方や最期の迎え方について、ポジティブに語り合う気運が高まっています。

一般的に「終活でやるべきこと」として挙げられる事柄には、次のようなものがあります。

【1】エンディングノートを作成する

エンディングノートは「どのように人生を終えたいか」を自分なりに整理したり、亡くなった後、家族や親しかった人々に伝えたいこと、お願いしたいことなどを書き残したりしておくためのノートです。まずはエンディングノートを書き始めるところから、終活をスタートさせるとよいかもしれません。

大学ノートや日記帳に記しても構いませんが、現在、さまざまなエンディングノートが市販されています。終活でやらなければならないことのリストや解説が載っていたり、書き残しておくべき事柄の記入欄がわかりやすく印刷されていたりと、使い勝手がよいものも多いので、好みのエンディングノートを探して購入してしまうのが手っ取り早いでしょう。

【2】遺言書を作成する

エンディングノートは自分の人生の振り返りや身辺整理、親族に自分の要望や意向(遺志)を伝えたりするのにたいへん役立ちますが、記載内容に法的効力がありません。金融資産や不動産など、相続する資産がある場合、法律に定められている表記ルールに則った遺言書を準備しておくほうがよいでしょう。

遺産相続ではとかく、親族のあいだでいさかいが起きたり、資産の全貌を把握するための調査に手間取ったりなどトラブルが生じ、具体的な相続手続きがなかなか進められないケースがあります。自分がいなくなったあとに禍根を遺さないためにも、資産がある場合には遺言書を作成して、「誰になにを相続させたいのか」をハッキリさせておくほうが無難です。

【3】資産を確認、整理する

銀行口座や証券口座などを確認し、それぞれの内容を把握します。複数の口座がある場合、資産は必要最小限の口座にまとめるようにして、不要なものは解約しましょう。クレジットカードも同様に、使っていないもの、利用頻度の低いものは解約します。また、保険も契約内容の見直し、解約を進めます。

一通り整理を進めたあと、口座情報や資産の現状などは遺された親族がわかりやすいように一覧でまとめておきましょう(たいていのエンディングノートには、記載欄が設けられています)。

【4】医療や介護、葬儀、お墓に関する希望を書き残す

延命治療や救急医療に関する希望や、介護まわりの希望(入所したい施設、受けたいサービス、誰に介護してもらいたいかなど)を明示しておきます。事故、急病、認知症の進行など想定外のことが起こり、自分の意向を親族や医療関係者に伝えられない可能性があるからです。

葬儀についても同様に、希望を書き残しておきましょう。一般葬や家族葬、偲ぶ会など、希望する葬儀の形式だけでなく、葬儀に呼びたい人(呼びたくない人)は誰か、亡くなったときに相談できる人(起点になって、友人・知人たちに訃報を知らせてくれそうな人、準備を手伝ってくれそうな人など)は誰かといった、葬儀に関連する情報も整理しておくと、遺族の助けになります。

元気なうちに、葬儀やお墓について自分で準備を済ませておく、という選択もあります。最近は、生前葬を行ったり、葬儀の生前予約を入れておく人も少なくないようです。

「終活」における一大事「生前整理」で持ちモノを減量する

上記のような事柄に加えて、もうひとつ、終活でぜひ取り組んでおきたい項目があります。

【5】生前整理を進める」です。

生前整理とは、ひと言でいえば「持ちモノの整理」です。自分が亡くなったあと、親族が遺品整理で困らないよう、生前からモノの整理を進めておき、処分すべきモノは処分して、できるだけ身軽な状態にしておきましょう。

遺族が故人の住まいを片付けることになり、これまで触ったことのなかった押入れや物置を確認したところ、何年、何十年も放置されたと思しき衣服や生活雑貨、もはやゴミにしかならないガラクタなどが大量に出てきてしまい、処分に膨大な手間と費用がかかった……といった話は、想像以上に多いもの。なかには、処分が必要な遺品を親族間で押し付け合うような形になり、整理が進まないといったトラブルが起きることも。自分の持ちモノのせいで遺族にいつまでも迷惑がかかる、といった状況は、あまり芳しいこととはいえません

また、人生の終盤を迎えて、暮らしぶりをスケールダウンするため、小さな住まいに転居する人も多いようです。近年は、子育てが終わったタイミング、定年を迎えたタイミングなどの節目に、郊外の一戸建てから都心のコンパクトな集合住宅に引っ越すといった、壮年~老年世代の“都心回帰”も目立つようになりました。

同様の動きでいえば、子どもが家を離れたのを機に、老後を踏まえて家のリフォームを進める、というケースもあるでしょう。さらに、ゆくゆくは老人ホームや介護施設に入居することになり、住まいを引き払う可能性もあります。

いずれにせよ、暮らしぶりが変化する場面では、引っ越しのための荷造りや家の大掃除など、モノにまつわる何かしらの作業が発生するもの。晩年に向けて生活はコンパクトにしておくほうが、何かと好都合なのは間違いありません。

終活を考えるべき年代の人、そしてその家族は、共通の課題として「生前整理」を捉え、みなで前向きに取り組んでおくほうがよいでしょう。

「生前整理」でやらなければならないこと

生前整理には、具体的にどのような作業が発生するのか。以下、列記していきましょう。

(1)思い入れのない品々(不要品)を捨てる

何年も使っていないモノ、今後も使う予定のないモノで、とくに思い入れやこだわりのないアイテムは明らかに不要品です。この機会に捨ててしまいましょう。

(2)もう必要ないが「捨てるには惜しい」モノは譲渡や売却

「自分には不要だが、よい品物なので捨ててしまうのも惜しい」「これまで大事にしてきたモノだが、もう使うこともないだろう。誰か、大切に使い続けてくれそうな人に譲りたい」といったアイテムは、譲渡や売却を検討しましょう。

そうした品々をある程度整理してダンボール箱などにまとめておけば、親族や友人が来たときに「ほしいものがあれば、持っていって」と見せたり、リサイクルショップや骨董品店といった専門業者に家まで来てもらい、査定してもらったりする際にも便利です。

(3)デジタル機器の整理

パソコンやスマートフォン、タブレットといった電子機器についても、生前整理が必要です。

最近「デジタル遺品」という言葉が使われるようになってきました。電子機器に保存されたデータ、登録情報などを差します。

電子機器には、写真やテキスト、動画などのデータ、クレジットカード情報、ネットショッピングの購入履歴、ネットバンキング関連の情報、メールやSNS、ブログのアカウント情報、オンラインストレージのデータ、オンラインカレンダーや日記サービスのアカウント情報など、さまざまなデータや登録情報が残されています。

それらに関する情報がどこにも残されていないと、遺族は解約手続きをしたり、データを削除したりすることができません。そもそも、パソコンやスマホのログインパスワードすらわからず、どんなデータが残されているのか確認したり、端末を処分するために初期化を行ったりすることすらできない、というケースもあります。

遺族が「デジタル遺品」の整理に迷わないよう、自分が所有している電子機器、そして利用しているサービスを一覧にまとめておき、IDやパスワードなど必要情報を確認できるようにしておきましょう。手書きでは書き間違いが起きたり、読みづらかったりする可能性もあるので、デジタルデータで一覧をつくり、合わせてプリントアウトも残しておくと無難です。紙に出力した場合は、厳重に保管しておくか、本当に信頼できる人に託すなど、セキュリティにも留意しましょう。

万全を期すなら、電子機器のログインパスワードを紙に印刷して、銀行の貸金庫など信頼できる保管先に入れ、エンディングノートに「電子機器に関する情報は貸金庫にある」と書いておく、パソコンやスマートフォン内に、利用サービスの一覧とそれぞれのID、パスワードなどをまとめたファイルを残しておくといった具合に、然るべき人物が手順を踏まないと判明しないような形にしておくのもよいでしょう。

もちろん、上に述べたような準備と合わせて、利用していないサービスを解約したり、見られたくないデータを端末から削除したりなど、電子機器内の情報を整理しておくことも重要です。パソコンには、一定期間アクセスがなかった場合、指定したファイルを自動的に削除するフリーソフトなども存在するので、興味がある人は調べてみてください。

扱い方が決められないアイテムはminikuraに預けてしまう

生前整理を適切に進めていくと、手元に残るのはこれらのアイテムに集約されると思います。

A:毎日の生活で、日常的に使っているモノ

B:時期や必要に応じて使うことがあるモノ(来客用の寝具、冬物衣類、正月飾りやクリスマスグッズといった季節用品など)

C:滅多に手にすることはないが、できれば身近に置いておきたい思い出の品(記念品やアルバムなど)

D:自分だけでは判断できないモノ(子どもの持ちモノなど)

差し当たり必要のないB、C、Dのアイテムについては、家にあっても放置されるだけで、“場所ふさぎ”になってしまう場面も多いでしょう。転居することになれば、邪魔になる可能性もあります。

そこでおすすめしたいのが、B、C、Dに該当するアイテムはひとまずminikura(ミニクラ)に預けてしまう、という方法です。

“宅配型トランクルーム”のminikura(ミニクラ)は、1箱320円(月額)から利用できる外部保管サービス。入会金や登録料、箱代はかからず、専用ボックスを取り寄せる際の送料、荷物を預け入れする際の送料も無料です。

ボックスの取り寄せや集荷依頼、預けた荷物の取り出しなど、すべての手続き・手配はオンラインで完結。パソコンやスマートフォン、タブレットからいつでも利用することができます。

荷物を入れる専用ボックスは、依頼から最短翌日で手元に届きます。集荷は早ければ当日中、荷物を引き出す際も最短で翌日には保管倉庫から任意に指定した場所まで発送されます。

minikura(ミニクラ)の保管倉庫は、24時間体制で空調が管理されており、造りも堅牢。大切な品物でも安心して委ねることができます。

なお「minikuraMONO」プランで預けた品物は、保管場所に格納される前に1点ずつ写真撮影され、オンラインで画像を確認することが可能です。どんな品物を預けたか、どの品と同じ箱にしまったかを確認したいときも、迷わず見つけることができるでしょう。また、箱単位だけでなく、一品ずつの取り出しにも対応しているため「あの記念品だけは、やはり手元に置いておきたい」「近々、来客予定があるので寝具を1組だけ取り寄せたい」といった際も困りません。

minikuraを活用して、心穏やかな「終活」を

終活にまつわる生前整理では、すぐには処分するかどうかを判断できないこともあるでしょう。そもそも「モノを捨てる」という前提で整理を進めることに抵抗を持つ人もいると思います。子どもが長年、実家に放置していた趣味関連のアイテムを「もう不要なのかな」と処分してみたら、「どうして捨てたんだ!」とすごい剣幕で怒られた……なんて話もあるように、進め方次第ではトラブルに発展する場合も。

終活とは本来、自分のこれまでの歩みを静かに振り返り、残りの人生をどのように送りたいか、ポジティブに吟味していく取り組みであるはず。そこで、自分や家族がモノの扱いを巡ってストレスを溜め込んでしまうような状況になってしまうとしたら、これほど残念なことはありません。前向きに生前整理を前向きに進める気分にもなれないでしょう。

モノの整理で判断に迷ったときは、minikura(ミニクラ)にいったん預けてしまってみてはどうでしょう? まずは家のなかにあるモノを減らし、晩年に向けて暮らしぶりを整えたところで、家族とお茶でも飲みながら、ゆっくりとモノの取り扱いについて検討するわけです。

心穏やかに終活を進めるためのツールとして、ぜひminikura(ミニクラ)を活用してみてください。

※文中の価格は2022年6月時点のものです。最新の価格はminikuraウェブサイトにてご確認ください。

minikuraとは

誰でも簡単に収納場所を増やせる宅配型トランクルームです。

  • 手軽に使える

    1箱320円/月~利用しやすい料金。お申し込みからお預け入れまで自宅で完結。

  • 預けた後も便利

    必要になった時の取出しやクリーニングもスマホやPCで楽々お申し込み。

  • 安心の保管環境

    1950年創業の寺田倉庫が運営。
    美術品、ワイン保管で培った保管品質をご提供。